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浦安は近代化が進んだ今もなお、漁師町だった頃の様子や地域の文化を感じられるスポットが点在しています。今回は、古き良き浦安を感じられる場所をご紹介。散策してみると、浦安の新たな顔が見えるはずです。
歴史・文化①郷土博物館

郷土博物館は、浦安市の歴史・民俗・自然を、体験を伴う形で学習できる場です。

屋外展示場では、漁師町として賑わっていた昭和27年頃の浦安の街並みが再現され、タイムスリップしたかのような体験ができます。街並みは当時店舗や人で活気があった「フラワー街」を、8つの店舗や民家などの建物で再現しています。たばこ屋と魚屋の建物は当時のまま移築され、市の指定文化財です。

たばこ屋には当時販売されていた商品が陳列されています。

魚屋にも商品の陳列の様子が再現。この時代に生まれていなくても、懐かしさを感じてしまいます。

昔、実在した天ぷら屋「天鉄」も再現されています。作家・山本周五郎の小説『青べか物語』のなかで、主人公の行きつけのお店として登場しています。山本周五郎自身も浦安に滞在していた時に足繁く通っていたのだとか。

店内には天ぷら料理が置かれたテーブルがあり、これは小説『青べか物語』のなかで、魚の骨や海老のしっぽを食べる登場人物から想起して作られた展示です。

民家では、江戸時代の庶民の暮らしを垣間見れます。当時は6畳1間の空間に、一家族が住んでいました。最大で11名も住んでいたというから驚きです。

当時の漁師さんが乗っていた一人乗り用の小舟「ベカ舟」に乗船体験できます。板が薄く、ペコペコすることからこの名前が付けられたそう。乗ってみると、バランスを取るのにコツがいるのがわかります。座っても不安定なのに、漁師さんは立って漁をしたのだから体幹が強かったのでしょう。

室内にも浦安の歴史や民俗に関する展示がずらり。テーマ展示室「海とともに」では、昔の浦安の原風景を映像で体験できます。遠浅の海が広がっていたことがわかり、満潮と干潮で全く異なる景色が広がっていました。
すべての展示を通して、学芸員さんが丁寧に解説してくれます。
| 住所 | 千葉県浦安市猫実一丁目2番7号 |
| 電話番号 | 047-305-4300 |
| 営業時間 | 9時30分〜17時 |
| 定休日 | 月曜(月曜が祝日の場合はその翌日)、館内整理日、祝日の翌日、年末年始 |
歴史・文化②文化財住宅の旧宇田川家住宅と旧大塚家住宅
浦安には、江戸時代末期〜明治初期に建てられた文化財住宅が2つ残っています。

1つ目の文化財住宅は旧宇田川家住宅です。明治2年に建てられたもので、市内最古の民家です。代々、米屋・油屋・雑貨屋・呉服屋など、商家として使われてきました。

入口付近には、呉服屋の男女の人形が。女性の髪型は江戸時代の様式、男性はざんぎり頭で明治時代の様式で、明治初期の新旧の文化が入り混じる様子を表しています。

家には工夫が所々に施されています。縁側にある雨戸の一部に、小さな窓「臆病窓」が付いています。雨戸を全部締めた後に、物音がしたり、誰かが訪ねてきたりした時に、臆病窓からそっとのぞいて確認したそう。

また、上の階から下の階の様子がわかる「のぞき穴」もあります。商家として使われていたため、1階で不正な取引をしていないか見たり、聞いたりするための監視用の穴だそうです。

2つ目の文化財住宅は旧大塚家住宅です。江戸時代末期の建築と推定され、漁業と農業を営む比較的規模の大きい民家だったようです。浦安市内で二つしかない茅葺き屋根の建物の一つです(もう一つは浦安郷土博物館内)。

屋根裏に2階があり、昔はこの地域で水害が多かったことから、災害時に家財を2階にしまったり、避難していたりしたそう。

漁師の家だったことから、入り口付近の砂利には貝殻が撒かれ、土の水はけを良くする効果があります。玄関付近で漁師にも農家にも見える人形がお出迎え。

居間には神棚と仏壇が設置されています。漁業と農家では、天候に左右されるため、神頼みをしていたのかもしれません。

文化財住宅で、昔の人々の生活に思いを馳せてみては。
旧宇田川家住宅
| 住所 | 千葉県浦安市堀江三丁目4番8号 |
| 電話番号 | 047-352-3881 |
| 営業時間 | 10時15分〜16時(12月から3月までは15時閉館) |
| 定休日 | 月曜・木曜(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月27日から1月4日まで) |
旧大塚家住宅
| 住所 | 千葉県浦安市堀江三丁目3番1号 |
| 電話番号 | 047-354-5846 |
| 営業時間 | 10時15分〜16時(12月から3月までは15時閉館) |
| 定休日 | 月曜・木曜(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月27日から1月4日まで) |
歴史・文化③浦安三社(清龍神社・豊受神社・稲荷神社)
浦安三社祭

浦安三社は、浦安市の歴史ある3つの神社である清龍神社・豊受神社・稲荷神社の3つの総称です。4年に1度の夏季オリンピックの年に三社合同で行われる「浦安三社例大祭」では、それぞれの神社の神輿が指定ルートを巡り、街全体が熱気に包まれます。「わっしょい!」ではなく、「まえだ!」という掛け声が使われるのも特徴です。
清龍神社

それぞれの神社についてご紹介します。清龍神社は鎌倉時代の1196年頃に建てられたと言われ、海の神様である大綿積神が祀られています。

海路安全や漁業繁栄、商売繁盛などのご利益があると言われています。任務安全や国土安泰の御守りも販売され、神社と同じ名前である潜水艦せいりゅうの刺繍が施されています。

外観には浦島太郎や竜宮城など日本昔話に登場する人物や建物、龍などが彫刻で描かれ、見どころです。市の指定有形文化財にも登録されています。

こちらは書道家の永田 紗戀(ながた されん)さんデザインの御朱印。清龍神社の御朱印には、季節ごとにデザインが変わるイラストや切り絵が、参拝者の心を掴んでいます。
清瀧神社
| 住所 | 浦安市堀江四丁目1番5号 |
| 電話番号 | 047-351-5417 |
| 営業時間 | 9時〜16時30分 |
| 定休日 | なし |
豊受神社

豊受神社は、1157年の市内で最も古い歴史を持つ神社です。衣食住の守護神である豊受姫大神を祀り、地域では「お豊受さん」と呼ばれ親しまれています。

境内には樹齢約300年の大銀杏の御神木があります。境内を飛び越え、地域全体を見守ってくれる存在感です。

豊受神社の御守りには銀杏の葉がデザインされ、「大銀杏御守」と呼ばれる大銀杏の枝を用いたお守りも販売されています。

浦安市猫実に位置することから、猫のデザインがされた「しあわせ御守」や「ペット御守」、ご朱印帳も取り扱っています。猫好きにはたまらない。
豊受神社
| 住所 | 浦安市猫実三丁目13番1号 |
| 電話番号 | 047-381-1011 |
| 営業時間 | 9時〜16時30分 |
| 定休日 | なし |
稲荷神社

稲荷神社は、1689年に武蔵国小岩村(現:江戸川区)の善養寺から移し祀り、豊受神社と同じ豊受大神を祀っています。

疱瘡(天然痘)に霊験があるとされ、病気平癒や厄除けにご利益があると言われています。江戸時代に稲荷神社の境内の石を持ち帰ると病が治ると言われ、参拝者であふれかえったのだとか。

また、大鯨の碑があり、江戸時代に東京湾に現れた大鯨を祀っています。その頃東京湾には今よりも多くの生物が存在し、餌を求めて鯨が現れることもあったそうです。浦安の漁師2人が大鯨を捕獲し、大金を手に入れたそうですが、どこへ行っても英雄扱いされて仕事に手が付かなくなってしまったため、終止符を打つためにこちらに奉納したと言い伝えられています。

こちらの地域では昔、富士信仰が盛んだったことから、富士塚がよく建てられています。稲荷神社には、唯一の登れる富士塚があります。「子供たちが神様に足を乗せて登るのは複雑でもあるが、遊びに来て、登ってもらいたい」と神主さん。
「子供たちは神様に足を乗せて登ったりするのは、やめてほしい気持ちもあるが、ぜひに遊びに来て登ってもらいたい」と神主さん。

激動の時代を経て浦安の街並みは変わりましたが、浦安三社を訪れれば浦安の歴史を垣間見ることができるでしょう。
稲荷神社
| 住所 | 浦安市当代島三丁目11番1号 |
| 電話番号 | 047-352-2883 |
| 営業時間 | 9時〜16時30分 |
| 定休日 | なし |
歴史・文化④大蓮寺・久助稲荷

大蓮寺は1544年に小田原から行脚してきた覚誉存栄上人が建てられたお寺です。覚誉存栄上人は奉られていた勢至菩薩像(せいしぼさつぞう)の見事さに惹かれ、この像を守るために、小田原にあった自分のお寺と同じ名前である大蓮寺を建てました。勢至菩薩像は火災に遭いながらも姿をとどめ、現在も奉られています。
境内には浦安市内で唯一の鐘楼堂があります。1734年に建立され、戦時中である1943年に金属供出運動によって献納されましたが、1951年彫金の大家である香取正彦氏が再び造られました。大晦日には除夜の鐘をつきに400〜500人の参拝客が訪れます。

大蓮寺には久助稲荷があります。元々は小田原の大蓮寺に祀られている福徳稲荷の分身として建立されました。真っ赤な鳥居が7つ重なり、異世界へ迷い込む感覚に。

お稲荷さんには目や歯が装飾され、たくましくもどこか愛着のある顔つき。

毎年5月には久助稲荷大祭が開催され、秋には浦安屈指の紅葉スポットになるため、ぜひ足を運んでみて。
大蓮寺
| 住所 | 千葉県浦安市市堀江四丁目14番2号 |
| 電話番号 | 047-351-2533 |
まとめ
浦安は首都近傍の住宅都市の一面を持つ一方で、歴史深い街でもあります。郷土博物館や文化財住宅で昭和の暮らしを体感したり、地元に長年根付く神社仏閣で歴史の流れを感じたり、浦安のもう一つの顔を味わってみて。
